日本遺産の目的
世界遺産登録や文化財指定はいずれも登録・指定される文化財(文化遺産)の価値付けを行い、保護を担保することを目的としています。一方で2015年度から発足された日本遺産は既存の文化財の価値付けや保全のための新たな規制を図るのではなく、地域に点在する遺産を「面」として活用し発信することで、地域活性化を図ることを目的としています。
日本の文化財や伝統文化を通じた地域の活性化を図るため、 その歴史的経緯や地域の風土に根ざした、世代を超えて受け継がれている伝承・風習などを踏まえたストーリーの下に有形・無形の文化財をパッケージ化しこれらの活用を図る中で、情報発信や人材育成・伝承、環境整備などの取組を効果的に進めていくことが必要です。
地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産(Japan Heritage)」として認定し, ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の様々な文化財群を総合的に活用する取組をしています。
日本遺産のストーリーについて
日本遺産として設定するストーリーは以下を踏まえた内容である必要があります。
◎歴史的経緯や地域の風習に根ざし, 世代を超えて受け継がれている伝承, 風習などを踏まえたものであること。
◎ストーリーの中核には, 地域の魅力として発信する明確なテーマを設定の上, 建造物や遺跡・名勝地, 祭りなど, 地域に根ざして継承・保存がなされている文化財にまつわるものを据えること。
◎単に地域の歴史や文化財の価値を解説するだけのものになっていないこと。
それらをクリアし2017年に『1400年に渡る悠久の歴史を伝える「最古の国道」〜竹内街道・横大路(大道)〜』が、大阪府内では初めて、奈良県内では3件目の日本遺産に認定されました。